本日の一症例

食欲がない

腫瘍科(ガン)/外科

猫の脾臓の肥満細胞腫

動物
種類 日本猫
性別 避妊雌
年齢 12歳
地域 京都市
症状/病態 元気・食欲低下、多発性の皮膚のできもの
考えられる病気 炎症性疾患、転移性腫瘍など

元気・食欲低下、多発性の皮膚のできものを主訴に来院され、皮膚のできものを針生検(細い針をさして細胞を採取する検査)した結果、肥満細胞腫でした。

皮膚に肥満細胞腫が多発している場合、脾臓や腸からの転移である可能性が高いです。そのため、レントゲン、エコー検査を行なったところ脾臓に異常がみられたため、針生検した結果、肥満細胞腫でした。

また、バフィーコート検査(血液中の細胞を集めた検査)でも肥満細胞腫が確認されました。

これらの検査より、脾臓の肥満細胞腫の血液、皮膚への転移と診断しました。

脾臓の肥満細胞腫の場合、転移していたとしても手術で脾臓を摘出することで状態が改善し、年単位の生存が期待できる可能性をお伝えし、手術を行うこととしました。

以下、手術時の写真となります。苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お腹を開けて脾臓を確認しているところです(写真の左側が動物の頭側になります)。

摘出した脾臓

同時に肝臓の一部も採取しました。

手術は無事終了し、術後経過も問題なく、術後2日目で退院しました。
脾臓の病理検査は肥満細胞腫でした。また、同時に採取した肝臓も肥満細胞腫で、脾臓からの転移と考えられました。

現在、状態は改善していますが、肝臓、血液、皮膚に転移しているため、引き続き経過をみていく予定です。

 

当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行なっております。

詳細は下記のリンクをご参照ください。

https://www.kamogawa-ac.jp/cancer-treatment-specialty/

診断名

猫の脾臓の肥満細胞腫