本日の一症例

元気がない、ぐったり

猫科(猫の病気)

猫伝染性腹膜炎(FIP)

動物
種類 エキゾチックショートヘア
性別
年齢 五か月
地域 亀岡市
症状/病態 元気食欲低下、腹囲膨満
考えられる病気

4-5日前からの元気食欲低下、お腹が張ってきたため来院されました

  • 一般身体検査:高熱(40.2℃)
  • 血液検査:白血球およびSAA(炎症マーカー)の上昇
  • 画像検査:腹水の貯留

などの異常が認められました

腹水により腹部の不透過性が亢進しています(白くなり臓器の区別がつかなっています)

 

 

 

 

 

臓器の周囲に腹水の貯留が認められます(赤矢印)

 

腹水を抜去して検査したところ猫伝染性コロナウイル陽性であり、他に腹水貯留の原因が無かったため猫伝染性腹膜炎(FIP)と診断しました

FIPに対する特効薬はなく以前まで当院ではプレドニゾロンなどの抗炎症薬やオザグレルによる血管炎の緩和、インターフェロン製剤を用いた症状の軽減を期待した治療を行っていました

近年、FIPに対する治療薬として抗ウイルス薬が出てきました。まだ論文レベルでの話であるためオーナー様と相談の上投薬を開始しました

投薬後数日後から症状や炎症マーカーの改善を認めました

 

 

 

 

 

 

 

 

また2週間後には腹水貯留も改善しました

 

その後の経過も良好で、今のところ再発もしておらず元気に過ごしています

 

診断名

猫伝染性腹膜炎