本日の一症例

元気がない、ぐったり/食欲がない/嘔吐・吐出

消化器科(腸の病気・肝臓の病気)

誤食

動物
種類 スコティッシュストレート
性別 去勢雄
年齢 2歳3ヶ月
地域 京都市
症状/病態 嘔吐、食欲不振、元気消失
考えられる病気 誤食、胃腸疾患、腫瘍など

嘔吐、食欲不振、元気消失があり、ゴム状異物を誤って食べてしまったかもしれないとのことで来院されました。

腹部エコー検査では、小腸内に異物の閉塞を疑う所見(矢印)がみられました。

細かく噛みちぎって異物を食べてしまった可能性があるとのことでしたので、異物の位置や数を正確に把握するためにCT検査を実施しました。

CT検査においても、小腸の1カ所に異物(丸印)、そしてそれに伴う腸閉塞を疑うという結果でした。

これらの検査結果から、異物による腸閉塞の解除を目的とした開腹手術を実施しました。

以下、手術の写真がでますので苦手な方はお控えください。

画像検査で予想されていた通り、小腸内に異物が詰まっていました。

今回は、径の細い小腸から、太い大腸へと、手で異物を優しく移動させて腸閉塞を解除するという方法で手術を行いました。

(矢印:異物が詰まっていた部分)

術後1日で活動性や食欲の改善がみられ、翌日の夜に退院されました。その後自宅で経過観察していただき、数日後の便にゴム状異物(1.5cm程度)が排泄されました。

誤食事故は、普段から動物の口に入る可能性のあるものを届く範囲に置かない、など飼い主様に気を付けていただくことで予防することができます。しかしながら、どんなに気を付けていても、予想外の物やタイミングで誤食が起きてしまうこともあります。

もしもの際には、まずは獣医師にご相談ください。