斜頸
斜頸とは頭部が左右どちらかに回転してしまう状態です
発症は急性であることが多く、程度は軽度から重度であり起立不能や歩行困難に陥る場合もあります。
また眼振や嘔吐、流涎を伴うこともあります。
原因
前庭(耳の奥にある平衡感覚を司る神経)に直接または間接的に障害が生じることで発生し、大きく二つに分かれます
①中枢性前庭疾患
感染性疾患(犬ジステンパー、猫伝染性腹膜炎など)
脳腫瘍
肉芽腫性髄膜脳炎
脳梗塞
水頭症
外傷、中毒
②末梢性前庭疾患
中耳炎、内耳炎
老齢性(特発性)
先天性
耳の腫瘍、ポリープ
甲状腺機能低下症
外傷、中毒
診断
触診、視診にて他の神経症状の有無、障害部位(目や耳など)の特定を行います。
また、血液検査やレントゲン、超音波検査にて全身性の疾患や炎症、腫瘍の有無を調べます。
そして、上記の検査では原因が特定できなかった場合は全身麻酔下でCT検査やMRI検査を実施したり、脳脊髄液の感染の有無を検査したりすることで原因の特定をおこないます。
治療
原因により様々であり耳の感染が原因であれば洗浄、抗生剤の投与、腫瘍であれば手術や抗がん剤、放射線などが適応です。原因によってはステロイド剤の内服をすることもあります。
特発性の場合は数日で自然に改善する場合もあれば、原因に寄っては後遺症として歩行異常やその他の神経症状が残存してしまうこともあります。
症状が強く出ている場合(起立不能や歩行困難など)は体をぶつけてしまい、怪我をすることもあるので生活環境の整備も重要です。(ゲージに入れてあげる。周囲をやわらかいクッションやタオルで囲ってあげる。)
原因によって治療は様々なので、少しでも異変を感じたら病院へ相談してみてください。