猫の結膜炎

病態
結膜炎は猫の眼疾患で最もよく見られる病気です。
症状として結膜の充血と腫れ、目やに、流涙、羞明(しゅうめい:しょぼしょぼすること)が現れます。
原因の多くは猫風邪と呼ばれる上部呼吸器感染症であり、くしゃみや鼻汁を伴うことがあります。
放置すると結膜が眼球表面に癒着し眼が開かなくなったり、角膜炎を伴ったりすることがあります。
主な原因は次のようなものが挙げられます。
・ウイルス(ヘルペスウイルス、カリシウイルスなど)
・細菌(ブドウ球菌、ボルデテラなど)
・真菌(クリプトコッカスなど)
・クラミジア
診断方法
結膜の充血や腫れ、目やになどの症状から診断し、結膜スワブ(垢)を採取して原因となる病原体を検出します。
治療
特定した原因病原体により、抗菌薬や抗ウイルス薬の点眼や眼軟膏を選択し使用します。
症状の程度によっては、点眼に加えて内服薬や注射薬を併用する場合があります。
また鼻汁やくしゃみを伴っている場合、当院ではネブライザー療法(吸入)もおこなっています。