異物誤食(消化管閉塞)

誤食による消化管閉塞は犬や猫が消化できないものを誤って口にしてしまい、それによって胃の出口や腸が詰まってしまうことで発生し、どんなに元気な子でも突然命の危機に陥る大変恐ろしい状態です。
症状
食欲や元気の低下、嘔吐、下痢、腹部痛などが見られます。長時間閉塞が続いた場合や胃や腸に穴が開いてしまうと腹膜炎やショック状態に陥ることもあります。閉塞が起こっていない場合(胃に異物が停滞している場合)は無症状なこともあります。
診断
口の中の視診により異物が残っていないか確認したり、レントゲンや腹部超音波検査にて異物や消化管が閉塞したことにより発生する変化を発見することで診断します。また、血液検査も併せて実施し、全身状態を把握します。これらの検査で明らかな異物、閉塞が見つからない場合はCT検査や内視鏡検査を実施します。
以下は腹部超音波検査で見られる腸の変化の例です。
治療
閉塞が起こっていない一部の場合はお薬によって嘔吐させることも可能ですが、異物が詰まっている場合は全身麻酔下で取り除きます。
胃の中や十二指腸内の異物であれば内視鏡で除去することも可能ですが、鋭利なものであったり、大きいもの、内視鏡で取り除けない位置にあるものに関しては開腹手術で摘出します。
消化管の損傷が大きかったり壊死が起こってしまった場合は腸を一部切除することもあり、手術後は数日間の入院が必要となります。
消化管閉塞は突然命に関わる状態になってしまうため非常に危険です。
日頃から異物を食べないような環境作りやしつけを心がけ、もし誤って食べてしまった場合や食べた心当たりがなくても急な嘔吐や食欲低下が見られた場合はすぐに病院へ連絡しましょう。