尿失禁
病態
尿失禁とは、自分の意識とは関係なく無意識のうちに尿が漏れてしまう状態を指します。
原因を分類して挙げると以下のようになります。
A . 排尿障害 (=膀胱がパンパンで溢れている)
⑴ 下部尿路の閉塞により排尿ができない
・尿管、膀胱、尿道の結石・腫瘍など
・前立腺の病気
⑵神経の病気で排尿ができない
・椎間板ヘルニアなど
B . 蓄尿不全 (=膀胱に貯められない)
⑴先天的な尿路の構造の異常
・異所性尿管、膣狭窄など
⑵炎症性
・膀胱炎
⑶尿道括約筋の異常
・性ホルモンの変化(不妊手術後、数ヶ月〜数年)
・尿道のαアドレナリン受容体の反応性低下
・ストレス
・肥満(雌)
・遺伝(ドーベルマン、ボクサーなどの大型犬)
⑷老齢性
症状
自分の意思でコントロールできない排尿が症状です。
常にポタポタと出ている、寝ている時に失禁するなど、原因によって失禁の仕方は様々です。尿やけといって、陰部周りがいつも尿で汚れることにより皮膚炎がおこる場合もあります。
診断
・失禁のタイミングや、避妊歴などを問診します。
・尿検査や血液検査で膀胱炎やホルモン疾患の有無を確認します。
・レントゲン、腹部エコーで尿路結石や腫瘍の有無を確認したり、膀胱の形に異常がないか確認します。
治療
検査によって、結石や腫瘍などによる尿路閉塞や膀胱炎、先天的な構造異常などの明らかな異常が見るかった場合はそれらを取り除く治療をします。
明らかな病気がない場合は、尿道括約筋を締めるお薬を内服することで症状が改善することがあります。
尿失禁でお困りの方はお気軽にご相談ください。