病気紹介

巨大結腸症(便秘)

病態

巨大結腸症とは、何らかの要因により便秘が続いた結果、結腸の運動性が低下し、便が蓄積し結腸が拡張した状態のことを指します。

便をうまく排出できない状況が続くと、より便中の水分が吸収され硬くなるため、さらに便を排出しづらくなる悪循環に陥ってしまい、結果大量の便が貯留し結腸が拡張します。

原因としては消化管内もしくは消化管外の物理的な障害によるもの、代謝性疾患、内分泌疾患、もしくは薬剤による便の硬化や消化管蠕動の低下が挙げられます。猫の多くでは特発性といわれ、原因がよくわかっていません。

症状

症例の多くで慢性的な便秘、しぶり、血便、食欲不振、腹部痛、嘔吐がみられます。時に下痢を呈することもあります。

診断

腹部の触診で結腸内の硬くなった便を触知します。

レントゲン検査で拡張した結腸と蓄積した便を確認し診断します。

その他血液検査、画像検査等精査し、原因疾患がないか調べます。

 

治療

まずは急性治療として、浣腸、摘便処置を行います。

続いて原因疾患が特定できれば、その治療をします。

明らかな原因疾患が認められない場合は、特発性巨大結腸症として治療を行います。

内科療法としてはトイレなど環境整備をはじめ、食事療法、下剤、消化管運動改善薬などを組み合わせて行います。

内科療法でも排便のコントロールができない場合は外科療法として、結腸全摘あるいは亜全摘出術を考慮します。

ネコちゃんの便秘でお悩みの方はご相談ください。