炎症性腸疾患(IBD)
病態
慢性腸症とは、対症療法に抵抗があったり何度も再発する慢性の消化器症状(下痢や嘔吐)を
示す原因不明の消化器疾患です。慢性腸症は、治療の反応により食事反応性腸症、
抗菌薬反応性腸症、炎症性腸疾患に分類されます。炎症性腸疾患は
IBDとも呼ばれ、腸の粘膜における持続的な炎症や腸の絨毛と呼ばれる構造の障害が
関与していると考えられていますが、未だ不明な点が多い病気です。
症状
主な症状として、下痢、嘔吐、食欲不振、体重減少、腹鳴、腹痛などが認められます。
診断
IBDの診断には血液検査、便検査、レントゲン検査、超音波検査などの検査を
実施し、消化器症状を引き起こしうる他の病気を全て除外します。
さらに、食事療法や抗菌薬の投与などを行って食事反応性腸症や抗菌薬反応性腸症の
可能性も否定することが重要です。また、内視鏡検査において腸の粘膜の組織を一部採取し、
病理検査を行います。ただし、IBDは低悪性度の消化器型リンパ腫と呼ばれる腫瘍との鑑別が
難しいと言われています。
治療
IBDの治療には、基本的に免疫抑制剤が用いられます。
単独で用いる場合や複数を組み合わせて用いることもあり、治療反応によって薬剤を
選択します。また、免疫抑制剤に反応が乏しい場合には抗がん剤を用いる場合もあります。
薬だけでなく、食事の選択やビタミン剤、再生療法なども選択肢の一つになります。
なかなか治らない下痢でお悩みのかたは一度ご連絡ください。