無菌性結節性脂肪織炎
病態
脂肪織炎は、皮下の脂肪織の炎症のことを言います。その原因として、感染や外傷、
異物、注射後の反応、薬疹、虫刺され、主要など様々なものが挙げられます。
しかし、原因が特定できないことも多く、その場合は総じて無菌性結節性脂肪織炎と
呼ばれます。膵臓疾患や多発性関節炎との併発も報告されていて、治療に用いられる
免疫抑制剤に対する反応から、この疾患は免疫介在性と考えられていますが、
詳細な病態は解明されていません。
症状
ミニチュア・ダックスフンドに好発すると言われていますが、どの犬種にも起こり得ます。
症状として、皮下に触診でわかる程度のサイズの結節(しこり)が確認できます。
結節は、単発に発生する場合と多発する場合があります。結節は次第に大きくなり、
排膿し自壊することもあります。皮膚症状以外にも、発熱や食欲不振、元気消失が
認められることもあります。
診断
まずは針吸引によって細胞診検査を行いますが、確定診断には生検サンプルによる
病理組織学的検査が必要になります。生検と同時に一般的な血液検査や画像検査を
行い膵炎などの併発疾患がないかを調べることもあります。
治療
比較的小さく、単発で発生しているものに関しては生検を兼ねて外科的な切除を行います。
また、外科的に切除が難しい場合にはステロイドを中心とした免疫抑制薬による内科的な
治療を行うこともあります。治療で悩まれている際には一度ご相談ください。