膣炎(外陰部からの排膿)
症状
膣炎では、外陰部からの排膿、外陰部をしきりに舐める、頻尿といった症状がみられます。全身症状(元気・食欲低下、発熱など)は伴わないことが多いです。外陰部とは、女の子の肛門の下にある、尿が出る部分のことです。外陰部は膣、子宮、膀胱に繋がっています。
病態
膣炎は、発情後の黄体期や、初回発情前の子犬にみられることが多い病気です。再発、慢性化しやすい傾向があり、場合によっては子宮蓄膿症へ移行して重篤化する可能性もあるため注意が必要です。
原因
一般的には、細菌やウイルス感染のほか、膣や外陰部の先天的異常、腫瘍、外傷、異物などに起因して起こると考えられます。
診断
状態に応じて、主に以下の検査を行います。
① 超音波検査:子宮に膿液が貯留していない場合、膣炎と診断
② 膣スメア検査:白血球や細菌の出現程度を確認
③ 膣鏡や内視鏡:膣内部の観察
治療
軽度の細菌性膣炎では、まず膣洗浄を行います。洗浄のみで治癒することもありますが、状態に合わせて抗菌薬やエストロジェン製剤の使用を検討します。また、膣内に腫瘍や異物が確認された場合は、外科的摘出を行います。
外陰部からの排膿という症状は、膣炎だけでなく、子宮蓄膿症といった命に関わる病気の可能性も考えられるため、早期に検査を行い、排膿の原因を判断する必要があります。毎月のケアで来院された際に発見されるケースもありますので、定期的な来院、検診をお勧めいたします。