鼻出血

病態
鼻出血は人間では比較的よくみられ、病気と結びつかないこともありますが、動物では何らかの病気を疑う重要なサインになります。
原因は①血液凝固異常、②全身性疾患、③局所性(鼻腔内)疾患の3つに大別されます。
①血液凝固異常
・血小板の産生低下、消費、破壊による血小板減少症
・遺伝性、続発性(腫瘍、炎症、薬剤など)の血小板症(機能不全)
・遺伝性、続発性(腫瘍や炎症によるDIC、肝疾患など)の血液凝固因子の欠乏
②全身性疾患
・原発性、続発性(腎疾患、甲状腺機能亢進症など)の高血圧症
・多発性骨髄腫や多血症などによる過粘稠症
・感染や自己免疫疾患による血管炎
③局所性(鼻腔内)疾患
・異物や外傷
・腫瘍
・炎症(細菌性、ウイルス性、真菌性、免疫介在性)
・口鼻瘻管
症状
出血が一過性で止まることもあれば、なかなか止まらないこともあります。
病態によりますが、凝固異常や全身性疾患であれば両側性、鼻腔内疾患であれば片側性の出血がみられることが多いです。
また鼻腔内疾患であれば、くしゃみや鼻水、スターター(鼻の異常な呼吸音)などを伴います。
その他病態によって様々な全身症状が伴います。
診断
血液検査、尿検査、血圧測定、レントゲン検査、エコー検査、遺伝子検査など、症状や状態に合わせて各種検査を選択します。
特に鼻腔内疾患が疑われる場合は上記の検査では診断が難しいため、CT検査を選択することが多く、必要に応じて鼻腔内の内視鏡検査や組織生検を追加して行います。
治療
各原因疾患の治療に準じます。
何らかの原因疾患により出血が起こっているため止血剤などの対症療法はあまり有効ではありません。
重度の貧血や血液凝固異常がみられる場合は緊急的に輸血が必要となります。
繰り返しになりますが、鼻出血はわんちゃん、猫ちゃんでは警戒しなければならない症状です。
元気や食欲はあるものの鼻出血がみられるといったパターンもよくあり、結果重大な病気が隠れていることもあります。
おうちのわんちゃん、猫ちゃんで鼻血がみられた際は迷わずに病院に受診してください。

