病気紹介

レプトスピラ症

原因
レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌が原因となる病気です。自然界においては野生動物(特にげっ歯類)がこの菌を保有しており、感染動物の尿に含まれるレプトスピラに汚染された土壌や水から感染します。動物だけでなくヒトにも感染する、人獣共通感染症です。
 
症状

元気消失、食欲不振、発熱、嘔吐、黄疸(粘膜や皮膚が黄色くなる症状)、粘膜の点状出血などがみられます。さらに急性腎不全や肝不全に進展し、死亡することもあります。レプトスピラに感染していても症状が出ないこともありますが、この場合でも尿中に菌が排出されているため、感染源になります。
 
診断
血液や尿の遺伝子検査(PCR検査)を行い、レプトスピラの感染を確認します。ただし、血液中に菌が検出されるのは感染初期と言われており、尿への排菌もしばしば間欠的であるため、感染しているにもかかわらず遺伝子検査で菌を検出できないこともあります。
 
治療
抗菌薬療法を中心に行いますが、改善がみられないこともしばしばあり、死亡することも少なくありません。
 
予後
治療に成功し回復した場合でも、約半数は数か月から数年間(あるいは一生)にわたって排菌が続くことがあるため注意が必要です。

予防
ワクチン接種が有効です。普段のお散歩でも、保菌している犬の尿から感染する可能性があります。当院でもレプトスピラのワクチン接種が可能ですので、お気軽にご相談ください。