目が赤い(充血)

病態
犬や猫の目が赤い場合、大きく以下の二つに分けられます。
◯充血
外界からの刺激や炎症により、主に結膜(白目の部分)の小さな血管への血液量が増えることで起こり、普段は白い部分が赤く見えます。
◯出血
何らかの原因で目の中の血管が壊れることで全体的に赤く見えます。
原因
①目の表面が赤い場合
・結膜炎(細菌性、ウイルス性など)
・角膜潰瘍、角膜穿孔
・ぶどう膜炎
・緑内障
・網膜剥離
・乾性角結膜炎 など
②目の中が赤い場合(眼内出血という)
・コリー眼異常(コリー、シェットランド・シープドッグ、ボーダーコリー)
・角膜疾患、角膜穿孔
・緑内障
・白内障
・水晶体脱臼
・腫瘍 など
診断
まず、全体的な身体検査を行った上で、目の各種検査を行います。
視診にて、目が見えているか、目が腫れていないか、充血がないか、目ヤニや涙が出ていないか、反射があるかなどを確認します。その後、検査機器を用いて以下の検査を行います。
・眼圧測定・・・眼圧を測定
・シルマー涙液量検査・・・涙の量を測定
・フルオレセイン染色・・・目に傷があるかの観察
・細隙灯顕微鏡検査(スリット)・・・白内障の有無や、ぶどう膜などの炎症がないか
・超音波検査・・・水晶体などの位置が正常か確認
治療
どの様な原因かによって治療方法は様々です。例をいくつか以下に示します。
感染が疑われる場合は、抗菌薬の点眼などを行います。
傷が見られた場合は、角膜の修復を促進する点眼を行いつつ、感染を予防するため抗菌薬の点眼などを行います。
眼圧が高く緑内障が疑われる場合は、眼圧を下げる点眼などを行います。
ただし、症例によって治療方法は異なるため、場合によっては手術が必要なこともあります。
特に、目に傷ができた場合や眼圧が高い場合は数日でも続くと失明の可能性がありますので、充血が見られた場合はすぐにご相談ください。