本日の一症例

毛が抜ける(脱毛)

皮膚科・耳科

食物アレルギー

動物
種類 トイ・プードル
性別 避妊メス
年齢 不明
地域 京都市北区
症状/病態 脱毛
考えられる病気 感染症、ホルモン疾患、免疫疾患、毛包形成不全、パターン脱毛症、脱毛症Xなど

痒みを伴わない脱毛を主訴に来院された

トイ・プードルさんです。脱毛は2年前から

続いており、他院で様々な検査を行うも原因が

不明だということで当院に来院されました。

次の写真は、初診時の脱毛の様子です。

他院でホルモン検査などを実施するも、

異常は認められず、ホルモン疾患による脱毛の

可能性は低いと考えられました。また、

感染症も検査上否定的であったため、

アレルギー疾患を疑いアレルギー検査の

外注検査を実施しました。

 

※食物アレルギーの診断には、除去食試験

という検査を実施しないと確定診断を行う

ことは難しいです。しかし、さまざまな

要因により除去食試験を実施できない

ご家庭の方もいらっしゃるのでその

場合には補助的にアレルギー検査を

実施し診断の一助に用いることがあります。

 

以下アレルギー検査の結果です。

 

検査結果から牛肉・牛乳・七面鳥などに

反応が認められたため、普段の食事に

含まれていたお肉類を控えていただくように

お願いしました。食事を変更してから、

約1ヶ月後の皮膚の所見です。

 

依然、脱毛部分は残るものの今まで

全く見られなかった発毛が確認できました。

また、毛質も柔らかくなりフケなども減少

したことから皮膚のコンディションが良化して

いることがわかります。あわせて、以前から

お腹の調子も悪く軟便が続く子でしたが食事

変更から便の調子も良くなりました。今回は

確定診断ができたわけではありませんが、

食事の変更だけで改善が認められたことから

食事アレルギーの関与を強く疑いました。

 

このように、複数の薬剤を使用するも

改善が認められなかったワンちゃんや

ネコちゃんであっても、食事の管理のみで

脱毛や痒み、消化器症状が改善する場合も

あります。お悩みの方は一度当院まで

ご相談ください。

 

診断名

食物アレルギー