本日の一症例

呼吸が荒い(苦しそう)/咳が出ている

循環器科(心臓の病気)

心不全、肺水腫

動物
種類 シーズー
性別 避妊済み雌
年齢 12歳
地域 京都市北区
症状/病態 咳が出る、呼吸が早い
考えられる病気 心不全、肺水腫、胸水貯留、気管虚脱、呼吸器感染症など

 

呼吸が速く苦しそうとのことで来院されました。

以前より咳の症状もあるとのことでした。

 

聴診すると心雑音が聴取されました。

呼吸数は1分間に56回で、呼吸困難となっていることがわかりました。(正常呼吸数:1分間に20〜35回程度)

レントゲンを撮影すると肺が水分を含んで白っぽく写っており、肺水腫になっていることが確認されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また心臓のエコー検査では心臓で血液の逆流が確認されたため、心不全のステージCと診断しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず酸素室内で酸素化しながら利尿剤を注射し、肺に溜まった余分な水分の排泄を促しました。

また肺水腫は心不全が原因で起こっていると考えられたため、心臓薬を内服させました。

利尿剤投与後に再度レントゲンを撮影すると、肺の水分を含み白く写っていた部分が改善していることがわかります。

 

その後、利尿剤なしでも肺水腫の再発がなかったため、利尿剤の投与は停止しました。

現在も定期的な心臓の超音波検査で経過を見ながら心臓薬の内服を続けてもらっています。

呼吸も安定し、咳も治まっており、問題なく生活できています。

 

診断名

僧帽弁閉鎖不全症