本日の一症例

肛門嚢のしこり

腫瘍科(ガン)/猫科(猫の病気)/外科

猫の肛門嚢腺癌

動物
種類 日本猫
性別 去勢雄
年齢 16歳4ヶ月
地域 長岡京市
症状/病態 肛門嚢のしこり
考えられる病気 肛門嚢腺癌、肛門嚢炎など

紹介元病院で左の肛門嚢にしこりがあり、針生検(細い針をさして細胞を採取する検査)を実施したところ、肛門嚢腺癌が疑われたため、紹介来院されました。

CT検査では、しこりの大きさは約2cmであり、明らかな転移は認められませんでした。

猫の肛門嚢腺癌はかなりまれであり、報告が限られていますが、転移率は比較的低いがんです。
そのため、手術で完全に取り切ることができれば年単位の長期生存が期待できます。
以上の内容をご説明し、ご家族と相談した結果、手術を行うこととしました。

以下、手術の写真となります。苦手な方はご注意ください。
(写真はご家族のご承諾のもとあげさせていただいております)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


外から見ると少しわかりにくいですが、赤丸で囲んだ部分が腫瘍のある場所です。

肛門嚢は筋肉に囲まれているため、切除する際には外肛門括約筋という筋肉(青矢印)の一部を切除する必要があります(赤丸:腫瘍)

腫瘍周囲を慎重に剥がしていき、最後に本来であれば、肛門嚢管を糸で縛って摘出しますが、肛門に開口する位置まで腫瘍が浸潤していたので(青矢印)、今回はこの部位も含めて切除しました。

切除後の写真です。直腸(赤丸)が温存されていることを直腸検査で確認します。

縫合後の写真です。

手術は無事終了し、術後も大きな問題は認められず、術後5日目で退院しました。

病理診断は肛門嚢腺癌で完全に取り切れていました。

そのため、年単位の長期生存が期待できますが、今後は紹介元病院と連携をとりながら、再発や転移の確認をしていく予定です。

 

動物病院の先生方へ

当院は、各専門診療科を備え、幅広い高度医療を提供しております。

貴院からの症例紹介や症例相談も随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

詳細は下記のリンクをご参照ください。

https://www.kamogawa-ac.jp/introduction/

 

LINEでは、手術動画や臨床試験の症例集などもご覧いただけますので、よろしければぜひご活用ください。

・LINE公式アカウント(下記URLまたはQRコードよりご登録いただけます)
https://lin.ee/V33dkBJ

 

 

飼い主様へ

当院では、獣医腫瘍科認定医による腫瘍科専門外来を行っております。

詳細は下記のリンクをご参照ください。

https://www.kamogawa-ac.jp/cancer-treatment-specialty/

診断名

猫の肛門嚢腺癌